本人会議とは
当事者の方を交えての座談会
おはようございます。
取締役の佐藤つぐみです。
本日は、当事者の方を交えて「本人会議」を運営されている方や、当事者支援に関わる方々と共に意見交換会を行なってまいりました。
本音が言える環境と、そうでない環境
本日ご一緒いただいたのは、広島に住む竹内さん。彼は55歳の時に若年性認知症の診断を受けました。
そこから5年もの間、塞ぎ込んでいたとのことです。
そんな彼を外の世界に引っ張り出してくれたのは、地元のかつての仲間たち。
昔話に花を咲かせている最中にふと
「なぜ、悪いことをしていないのに籠らないといけないのか」
そう思うようになったのです。
彼はそこから、同じような思いをして籠ってしまっている当事者の方に向けて、共感と啓発の為に全国を飛び回り始めます。
そんな彼が言うには
本音を言える環境と、そうでない環境がある。
・そこに共感があるかどうか
・自分の存在を認めてくれている人たちかどうか
焦点はここだとおっしゃいます。
少しの失敗で、なぜ挑戦する機会さえ奪われるのでしょう。
人間みな、失敗は誰だってあるはず。
しかし、認知症の人がする失敗は重く受け止められ、もう挑戦をさせてもらえない。
自分の存在を否定されているみたいな感覚に陥る。
そんな状況で、本音が出るわけがない。意欲が湧くわけがない。
今、特に必要なのは、本人支援よりも環境整備
本人への支援はもちろん必須です。
しかし、今の社会に特に足りていないものは、周りの方の受容力、社会の偏見をなくしていくこと。
周りの方の捉え方次第で、本人は悪くも良くもなる。症状はいかようにも変化する。
自分を受容してくれる、信じてくれる存在に救われ、安心できる場となり、意欲が湧く。やりたいことが見つかる。
そんな循環が1つでも多く生まれるように活動していきたい。
竹内さんは、このようにおっしゃいます。
私も強く共感しました。
病気であれどなかれど、置かれる環境によって、私たちのモチベーションやパフォーマンスは大きく変わります。
居心地の良い環境もあれば、そうでない環境もあります。
どこに存在する私も同じなのに、環境によってこうも変わる。
どの環境でも同じ自分でいられるなら、転職というのはこんなにも当たり前になっていないように思うのです。
まずは居場所を作ること
そこがどんな場であっても、提供側・主催側は、居場所を作ることは義務と言っても過言でないように感じます。
もちろん、その場が排除も厭わないというなら別ですが・・・。
人は、能力や成果だけを求められると、とてもしんどくなります。
やはりマズローの欲求5段階説は素晴らしいなと思うのですが
居場所無くして、成果は出ない
と何百年も変わらずに証明され続けています。
居場所を作るためには理解が必要
理解される環境作っていくために
私たちはどんな活動が必要とされているでしょうか。
地域に出て、現場と地域を繋いでいく。
私たちから積極的に発信していく。
そんな取り組みが必要ではないのか、と改めて思えた時間でした。