刺激を求めて…
休日。
「何かが足りない。」
別にお腹は空いていない。
家事も終わった。
ゲームもした。
でも何かが足りない。
そう…
刺激だ。
平和すぎる。
このままでは脳みそが退化してしまう。
そんな時、SNSで見かけた。
「痺れる山椒ラーメン」
……。
来る。
これは来る。
刺激が来る。
そう…私はすっぴんレディのまま電車に乗った…。
到着。
そして見た。
長蛇の列。
「え、みんなも刺激不足なの?」
世の中、思った以上に刺激を求めている人が多いらしい。
並ぶ。
ひたすら並ぶ。
前の人も並ぶ。
後ろの人も並ぶ。
店だけが近づかない。
暑い。
足が痛い。
帰りたい。
でも刺激が欲しい。
そんな葛藤を繰り返しながら待つこと数十分。
ついに着席。
そして運ばれてきた。
見るからに危険なスープ。
山椒の香りが鼻を殴ってくる。
ひと口。
……
うまい。
ふた口。
……
痺れる。
三口。
……
舌がどこかへ行った。
でもうまい。
汗が出る。
鼻水も出る。
なぜか幸せも出る。
そして途中から脳内で聞こえ始めた。
「くーるー!」
山椒がくる。
痺れがくる。
汗がくる。
鼻水がくる。
そして翌日。
お腹に。
くーるー!!!
刺激を求めた代償は大きかった。
しかし私は後悔していない。
なぜなら休日とは、
時に無駄な行列に並び、
時に舌を麻痺させ、
時に翌日の自分を犠牲にしてでも、
人生に刺激を求めるものだからだ。
また刺激が欲しくなったら行こうと思う。
たぶん。
いや絶対行く。
人は学ばない生き物なのである。





